みんなで織りなす「粟野」のまち…虹の架け橋がまちを繋ぐかのよう。

協議会の設立に至る背景と目的・役割

住民参画と自治会、各種団体等の連携のもと、より良い地域を目指します。

●我が国が抱える課題に岐阜市も直面
 戦後70年、我が国は経験したことのない社会変化に遭遇します。産業・就業構造の変化、居住者の流動化、核家族化、高齢化、ライフスタイルの多様化などを背景に、自治会の加入率も低下しました。少しさかのぼって昭和44年、国民生活審議会の「コミュニティ~生活の場における人間性の回復~」には、「一度、地域共同体の機能が生活に不可欠ではないという認識が高まると、わずらわしさからの解放に大きな価値が見いだされることとなった。しかし、個人の力では処理できない問題についての不満感や無力感が蓄積され、さらに老人、青少年。児童等に関する問題が見過ごされてしまう」と指摘しています。
 その後、更に社会課題が多様化し、地域が担う役割はますます増大化すると、国の第26次地方制度調査会「地方分権時代の住民自治制度の在り方及び地方財源の充実確保に関する答申」(平成12年)は、「地域ごとに住民の意向を細かく反映させながら、多様化する行政需要に的確に対応していくためには、コミュニティ組織や地縁団体の役割がこれまで以上に重要」との見解を取りまとめました。
 このような背景のもと、岐阜市の自治会連絡協議会でも、役員の持ち回りによる活動のノウハウ継承の困難化、加入率の低下、増え続ける業務などの課題に対して、自治会・各種団体等地域が一体となってまちづくりを進める機能の必要性を、市と協働で提起しました(平成15年)。これを具体化するため、地域力創生モデル事業(まちづくり協議会の設立)が、平成16年にスタートしたのです。

●岐阜市で最初のモデル地区に指定
 平成16年、まず3地区が地域力創生モデル地区として指定されました。京町、島そして岩野田北地区です(令和元年6月末現在40地区に設立)。平成16年10月2日、岩野田北公民館において、設立総会が開催され、初代会長として衣笠三男氏(自治会連合会長)が選出されました。
 同年12月に「まちづくりを考えるアンケート調査」(2,212世帯を対象・回収率60.3%)を実施。その結果、課題としては、「地震防災」(59.3%)、「老後の生活」(37.0%)、空き巣・窃盗」(36.1%)が多く寄せられました。
 それらを踏まえて、まちづくり協議会に対しての期待は、「安全確保の取り組み」(40.1%)、「地域の問題点の把握と解決する活動」(31.7%)が多くを寄せられました。以降、さまざまな取り組みが進められ今日に至っています。
 発足当時の経緯について、「地域力創生モデル事業」報告書(岐阜市・平成17年3月)から、以下、抜粋して紹介します。当初は、PTAをはじめとする有志による自治会連合会への働きかけが、誕生に大きく寄与したことが分かります。


●岩野田北まちづくり協議会の近年の活動
 平成19年に制定された岐阜市住民自治基本条例にまちづくり協議会は定められることになりました。その大きな役割は、自治会や各種団体等が一堂に会し、地域や互いの活動について情報の共有を図るとともに、地域課題の解決に連携して取り組むことです。
 岩野田北まちづくり協議会では、効果的・効率的に活動を進めるため、平成29年には、総務部会、事業部会、青パト部会、広報部会の4部会を設置し、夏まつりや安全巡回をはじめとする各種活動を分担して取り組む体制を築きました。
 一方、同年、まちづくり協議会の委員及び各種団体の構成員を対象にアンケートを実施(回収数216件)。その結果、改めて特に重要な課題として、「高齢者支援・移動手段確保」がクローズアップされました。
 これを踏まえて、福祉部会を設置し、コミュニティバスの導入を担うこととし、岩野田地区と協議の上、コミュニティバス等運営協議会準備会を設立(平成30年7月9日)。その後、平成31年4月15日には運営協議会に移行し、9月2日に試行運転するに至りました。
 なお、令和3年、総務と広報を統合する一方、環境部会を設置、現在5つの部会となりました。

●みんなで話し合いましょう、役割を分担して進めましょう
 令和2年度には、10年後のまちを見据えた「岩野田北まちづくりビジョン」を策定し、住民の参画・連携のもとに計画的なまちづくりを目指すところです。またビジョンを策定し、市の認定を受けたことで、市からまちづくり協議会に対して、運営費の4/5・上限50万円が助成される「地域まちづくりビジョン策定支援制度」を受けています。
 このように、まちづくり協議会は、自治会、各種団体、住民有志等の参画により、地域が連携し、まちづくりの課題等を話し合い、方向性を共有し、分担しながらまちづくりを推進する「機能」が期待される組織とも言えます。